北朝鮮の勝利か 2018 4 30

「まさかの逆転ホームラン」
 今日は、朝鮮半島情勢を「野球」で解説しましょう。
8回の裏まで、3対0で、韓国がリードしていたのです。
 こうなったのは、断られることを前提にした、
米朝首脳会談をトランプ大統領が二つ返事で受けてしまったことです。
おそらく、トランプ大統領の直感だったでしょう。
 これが、北朝鮮には「想定外」でした。
米朝首脳会談が決裂すれば、戦争が見えています。
アメリカと戦争をすれば、結果も見えています。
 いろいろな戦争シナリオがあったと思います。
空と海からは、アメリカによる攻撃、
陸からは、中国の人民解放軍の侵攻。
北朝鮮内部で軍事クーデターを誘発。
このような「米中協調介入」というシナリオもあったでしょう。
 焦った北朝鮮は、
険悪な状態だった中国に「朝貢」することになったのです。
土壇場で、これができる金正恩委員長は強い。
北朝鮮は、中国という「後ろ盾」を得ることになりました。
これは、「青天の霹靂」とも言えるでしょう。
 とかく、ニュースは、米朝関係ばかりでしたが、
北朝鮮は、中国の重要行事に合わせるように、
核実験や弾道ミサイル発射を繰り返していました。
 中国は、何度も何度もメンツをつぶされ、
「怒り心頭」だったので、米中協調介入もあり得たでしょう。
 しかし、北朝鮮にとっては、タイミングよく、
「米中貿易戦争」が始まりましたので、
「協調介入」の雰囲気は、吹き飛びました。
 9回の表で、北朝鮮が、まさかの満塁ホームラン。
もちろん、点数は、3対4の1点差で、9回の裏がありますので、
勝負はわかりませんが、勢いは北朝鮮にあります。
 評論家の北野幸伯氏は、こう書いています。
「なぜ南北首脳会談は、金正恩の勝利だったのか?」
 さて、「板門店宣言」には、何が書かれていたのでしょうか?
ポイントは、「平和な時代が開かれた」と宣言されている。
 それに伴い、南北の人的、経済的交流が活性化し、
結果として、「経済制裁が無力化される」可能性が出てきた。
 一方、世界が注目している「非核化」については、
「北の非核化」ではなく、
「朝鮮半島の非核化」とすることで、問題を拡大させました。
(在韓米軍の完全撤退)
 これはなんでしょうか?
金日成、金正日と同じ作戦だと思われます。
・南北の雪解けにより、北朝鮮は、
制裁を無力化し、経済的利益を得る。
・一方、「朝鮮半島の完全非核化を目指す」とすることで、
交渉を長引かせ、実質的に核兵器とICBMを保有しつづける。
 時は流れ、北朝鮮は、核兵器を持ちつづけながら、
経済的利益も得てしまう。
 「板門店宣言」の意味は、こういうことになります。
すべて金正恩の狙いどおりに進んでいます。
(引用、以上)





















































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